「鍼灸を受けて頭痛が悪化した気がする」
「鍼灸のせいで頭痛が悪化することってあるの?」
こんにちは!吉祥寺メックス鍼灸院の佐藤です。
良くなりたいと思って鍼灸治療を受けたのに、頭痛が悪化してしまったらショックですよね。
今回は「鍼灸治療後に頭痛が悪化した場合に考えられる可能性」をお伝えしたいと思います。
- 一時的な症状であれば良くなる過程の好転反応(鍼の副作用)
- やり方によっては鍼灸のせいで頭痛が悪化することもある
- 脳の病気などが原因の頭痛は鍼灸では改善せず悪化していく
目次
考えられる可能性は3つ
鍼灸で頭痛が悪化することはあります。
しかし、それ以外にも可能性は考えられます。
① 鍼のせいで悪化した
② 鍼が効いていない
③ 頭痛の原因が他の病気
【第1の可能性】鍼のせいで頭痛が悪化
鍼は副作用が非常に少ない治療法で安全ですが、鍼灸治療後に症状が悪化する場合もあります。
刺激量の過多
よくある原因としては刺激のしすぎです。
鍼灸師の考え方や鍼灸院のやり方はそれぞれで、刺激の量も施術を受ける鍼灸院や鍼灸師によって大きく違うということがあります。
施術中、以下のような状態であった場合には刺激量が多かったと考えられます。
・鍼の刺激が不快であった
・鍼をされた箇所が常に痛く感じた
・施術が始まってから緊張で手や足の裏に汗をかいていた
人それぞれ刺激に対する感受性は違いますので、その人ごとに施術のやり方や刺激量を調節するほうが丁寧かと思います。
しかし、どのような方にも一様に大量の鍼をするようなところですと、敏感な方にとっては確実に刺激量過多となります。
好転反応(鍼の副作用)
刺激量過多でなくても鍼をうけることで症状が悪化することもあります。
好転反応の一種で一時的に症状が増悪することがあります。
鍼の副作用・好転反応であれば、その後に症状は軽快します。
【好転反応】
症状が良くなる過程で一時的にでる反応。
眠気や倦怠感などの訴えが最も多く、頭痛や痛みが増すなどの反応は頻繁に起きるものではない。
【第2の可能性】そもそも鍼が効いていない
下記に該当するようであれば、そもそも鍼治療が有効に行われていない可能性があります。
・頭、首、肩にはあまり鍼をうたれなかった
・施術後に頭・首・肩のこりが緩んでいない
・無痛、無感で鍼の刺激を全く感じなかった
あまり効果のない鍼治療を受けたあとに、首・肩のこりが日常生活でさらに悪化していけば頭痛自体も悪化していくということはありえます。
有効な場所に鍼が打たれたか?
鍼治療は様々な考え方で鍼を打つところを決定しますが、その疾患に対してよく効く場所というのがあります。
頭痛(緊張型頭痛や片頭痛)の場合には頭・首・肩のこりをしっかりと取っていかなければ改善しません。
あなたが受けた鍼灸治療ではしっかりと頭・首・肩などに鍼施術はされたでしょうか?
しっかりと筋肉は緩んだか?
鍼灸を受けた後に頭・首・肩などのこりはほぐれましたか?
頭痛の最大の原因のひとつは頭・首・肩などの筋肉の過緊張です。
頭痛を根本的に改善するためにはしっかりと筋肉が緩んでいる必要があります。
鍼を受けた直後から首・肩の筋肉のこりや緊張が取れていない場合には頭痛がよくなることはありません。(腕や足などの鍼だけでも一時的に鎮痛されることはありますが、根本的な解決には至りません)
しっかりと筋肉の緊張を緩和できていない場合にはそもそも鍼の施術が効果的に行われていません。
【第3の可能性】他の病気が原因の頭痛
以下のような場合でも頭痛はおきます。
・耳鼻科系疾患(副鼻腔炎など)
・精神科系疾患(うつ病など)
以上のように、他の病気が原因で頭痛が起きている場合には鍼灸治療は無効です。(うつ病に対しての鍼灸治療は有効)
どんどん悪化していくような頭痛はすぐに病院を受診してください。
もともと頭痛がない人の場合
鍼灸を受けるまえには頭痛がまったくなかった人の場合はどうでしょうか。
鍼灸を受けた直後から体の怠さなどを伴って頭痛がでて来た場合には「鍼のせいで頭痛が起きた」と考えられます。
鍼の副作用として頭痛が起きているといこうとです。
このような症状は基本的に一時的な現象です。
この現象を「瞑眩(めんげん)」や「鍼ごわり」、「好転反応」などと説明する鍼灸師もいます。
基本的には安静にしていればよくなります。
あくまでも好転反応や瞑眩(めんげん)による症状は一時的なものです。
数日たっても症状が引かない場合には別の原因が考えられます。
担当の鍼灸師に相談するか、病院の受診を考えましょう。
頭痛に対して鍼灸治療は有効
いわゆる頭痛と呼ばれる「緊張型頭痛」や「片頭痛」に対しては鍼灸治療は有効です。
「頭痛の診療ガイドライン2021」で鍼灸治療は推奨とされています。
一時的な副作用・好転反応であれば、その後良くなります。
症状が改善されない場合には「鍼治療の方法が適切でない」か「鍼灸が適応の症状ではない」という可能性が考えられます。