「鍼を受けているときに体がかってにビクっとなるのはなに?」
「鍼を受けていたら筋肉が勝手に動いた」
こんにちは!吉祥寺メックス鍼灸院の佐藤です。
鍼を受けているときに身体の筋肉が勝手にビクっと動くのは「局所単収縮反応」と呼ばれるものです。
「局所単収縮反応」がどのようなものか説明していきたいと思います。
- ビクっとなるのは「局所単収縮反応」
- この反応がおきると筋肉がよく緩む
- 独特の感覚で、刺激が強い
目次
ビクっとなるのは響きではない
鍼独特の感覚として「響き」があります。ズーンとしたりするような鍼独特の感覚です。
鍼でビクッとなるのは「響き」とは全く異なる反応です。
ビクっとなるのは局所単収縮反応
鍼を打たれたときに筋肉が1回ビクッと動くことを「局所単収縮反応」といいます。
局所単収縮反応
局所単収縮反応(local twitch response)とは読んで字のごとく「局所の筋肉が1回収縮する反応」のことです。
この反応は鍼を刺したときにビクッと1回不随意に筋肉が動くので鍼の刺激と相まってかなり刺激的です。
初めて受けたひとは痛く不快だと感じる方のほうが多いと思います。(かなり一瞬の反応ですが)
しかし、この反応がおきれば筋緊張の緩和が起こりやすく、コリがかなりスッキリと解消します。
これはトリガーポイント(Trigger Ponit)の専門用語ですが、トリガーポイントの考え方で施術をしていなくても、コリ症状の強い人に対して鍼治療を行っているとわりと起きる反応です。
・痛みの引き金となっているポイント。
・圧迫などによって別の場所に痛みが生じるようなポイント。
・トリガーポイントの多くが東洋医学のツボと一致する。
局所単収縮反応は脊髄反射
局所単収縮反応は脊髄反射と考えられていて、自分の意識とは無関係に起こるものです。
局所単収縮反応に関しては,ウサギの下肢の索状硬結への刺激による反応が,運動終板周囲への刺激でも見られること,上位の脊髄を切断した後にも出現することから脊髄反射であると考える.
森本ら. 「ペインクリニックにおける神経ブロック療法 トリガーポイント注射」
日本臨床麻酔学会誌. 2014 年 34 巻 7 号 p. 947-951
また、筋肉の凝っている部分に刺されたときに起きる反応なので、1回の施術中に何度も起こるような反応ではありません。
鍼を刺されるたびに毎回ビクッとなるのでしたら、それはただ単に鍼の刺激が強く、痛みを感じているという状態です。
ビクっとなるのは凄く凝っている筋肉
ビクッとなる局所単収縮反応が起こるのは「索状硬結」といって、簡単に言えば凄く凝っているところです。
肩こりや腰痛など筋肉のコリのお悩みで鍼灸を利用した場合には、そのコリの状態が酷ければ酷いほど局所単収縮反応が起こる確率は高まります。
具体的にどこで起きる?
局所単収縮反応自体は理屈上、筋肉で索状硬結があればどこでもおきます。
実際に鍼をしていると、肩・背中・腰の筋肉などで起こりやすいように感じます。(これは、肩・腰・脛などが凝って来院する患者さんが当院で多いためです)
要は凝っていてつらい場所は局所単収縮反応が起きてビクッとなる可能性があるということです。
肩こりであれば肩の筋肉、腰痛であれば腰の筋肉でビクッとくる可能性が高いです。
その他には首・頭の横の筋肉・顔の横の噛む筋肉・肩甲骨のところの筋肉・腰の奥の筋肉・仙骨周りの筋肉・太ももの筋肉・ふくらはぎなど割とどこでも起きる感じです。
トリガーポイントを意識していない施術でも単収縮反応は起きる
局所単収縮反応はトリガーポイントの考え方が強いものですが、局所単収縮反応は施術者がトリガーポイント理論で施術を行っていなくても起きるものです。
鍼灸治療では針を指す場所を決めるときに、いわゆる定められたツボではなく、圧痛点や筋肉の硬い場所に刺すことがあるからです。
圧痛点や筋肉の硬い場所は鍼やお灸をすることでよく筋肉が緩むことがあるので、わりと多くの鍼灸師が使う技法です。
その結果、トリガーポイント理論で施術していなくても局所単収縮反応が起きるというわけです。
局所単収縮反応で筋肉は緩む
局所単収縮反応が起こった場合には高い確率で筋肉の緊張(こり)がよくとれます。
鍼灸には様々な流派や手法があるので、局所単収縮反応が全てではありませんが、ビクッとなる反応(局所単収縮反応)が起きるのは悪いことではなく、むしろよいことです。
また、局所単収縮反応が起きなくても鍼灸治療では筋肉の緊張の緩和や血流を改善する効果が期待できます。