緊張型頭痛の症例|首肩こりからの頭痛が10年・3回目以降は頭痛のない2年4か月

患者40代・女性/パソコン作業と書類仕事が中心の会社員
主訴首肩のこりからくる頭痛/目の奥がズキズキすることもある
来院時発症から約10年/強い頭痛が2週間に1回ほど
診断医療機関の受診なし
通院約2年4か月で20回(おおむね1か月間隔/途中に約8か月の空白)
施術仰向け・うつ伏せの両方/首の付け根への低周波鍼通電と、首・肩・背中・腰・ふくらはぎへの鍼
現在1か月前後の間隔での来院を継続中
目次

来院までの経緯

パソコンでの作業と書類仕事が中心の会社員の方です。目と手を使う時間が長く、車の運転もあります。

首肩のこりからくる頭痛に、10年ほど悩まれていました。痛むのは特に左の側頭部で、目の奥がズキズキすることもあります。締めつけられるような痛みと脈打つような痛みが混ざった出方で、強い頭痛が2週間に1回ほど。思い当たる原因はデスクワークとストレスとのことでした。この10年、医療機関にはかかっていません。

整体やマッサージにはよく通われていましたが、鍼灸は初めてでした。

初回の所見と施術

触れて確かめると、首から肩、背中、腰にかけて全体にこりがありました。

仰向けで手足に鍼をして全身を調整し、うつ伏せで首・肩・背中・腰に鍼をしています。あわせて、首の付け根の、後頭部の生え際にあたる部分に鍼をして、高い頻度の電気を15分間流しました(低周波鍼通電)。頭痛の出方から、この部分を軸に組み立てています。

その場でこりがゆるみやすい方でした。施術のあとに座った姿勢で首を動かしてもらい、動かしたときに残るところへ追加で鍼をしています。

集中して施術するのは背中側のため、現在のコース体系ではスタンダードコースが対象になります。

その後の経過

2回目は約1か月後。「1か月は楽だった」とのことでした。この1か月で頭痛が出たのは、動画を長時間見た日の1回だけです。いちばんの訴えは右肩まわりに移っていました。

3回目には、頭痛が起きなくなっていました。訴えの中心は首肩のこり、ふくらはぎ、目の疲れです。ふくらはぎへの鍼をここから加えています。

以降しばらくは、頭痛のない状態が続きました。「自分ではこっていないと思っていたけれど、鍼をするとこっているのが分かる」という言葉が出たのもこの時期です。同時に、1か月を過ぎると頭痛やこりを感じるようになってくる、という実感も話されるようになりました。

初診から10か月ほど経った回では、頭痛に加えて足の重さとめまいがありました。この回は側頭部と耳のうしろにも鍼を加えています。めまいが続くようなら耳鼻科へ、とお伝えしましたが、次の回にはめまいは消えており、受診はされていません。

初診から1年2か月ほどの時期に、約2か月の間隔が空きました。その間に別の鍼灸院に行かれたそうですが、実感が得られず、当院に戻られています。「どこの鍼灸院でも鍼は同じだと思っていた」という言葉がありました。

ここからは2週間から1か月ほどの間隔が続きます。この時期に繰り返し出てきたのが、しばらく空くと頭痛が起きる、だいたい1か月は持つけれど1か月を過ぎると明らかに頭痛が起き始める、という言葉でした。

その後、約8か月間、来院が途切れています。この間は市販薬で対処されていたそうです。再開後は2回来院され、直近の回は「前回から頭痛は出ていないが、来られるうちに来ておこうと思って」とのことでした。

施術者の考察

この方の頭痛は、初診時に混ざっていた脈打つ痛みも含めて、3回目以降ほとんど出ていません。それ以降の2年間、訴えの中心は一貫して首肩のこりです。通院の目的が、頭痛を止めることから、頭痛が出る背景にある首肩のこりを一定以下に保つことへ移っています。施術の組み立ては初回からほとんど変えていません。

通院の間隔を決めているのは、こちらではなくご本人の観察です。1か月は持つけれど1か月を過ぎると起き始める、という言葉が、何度も同じ形で出てきました。初回の時点では、こりの自覚がほとんどなかった方です。自分のこりの状態を感じ取れるようになったことが、来院のタイミングを自分で判断する手がかりになっています。

一方で、間隔が空けば頭痛は戻ります。約8か月来られなかった時期は、市販薬で対処されていました。頭痛が起きない体に変わったのではなく、こりが積み上がる前に落とすという形で保っている状態です。現在も1か月前後の間隔で来院を続けられています。

この症例に関する注意

  • 経過には個人差があります。同じ診断名でも、症状の出方や通院の回数・間隔は一人ひとり異なります。
  • これまでと違う強さや出方の頭痛があるときは、鍼灸より先に、脳神経内科など医療機関での検査をお願いしています。
  • ご本人が特定されないよう内容を抽象化しています。同じ経過をお約束するものではありません。
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この記事を書いた人

佐藤長快のアバター 佐藤長快 鍼灸師

吉祥寺メックス鍼灸院で鍼灸専門の施術を行っています。
18歳の頃に鍼灸を初めて受け、その効果を実感し、その後鍼灸の道へ。以来さまざまな流派・技法の施術を受け続け、これまでに100名以上の施術者の鍼を経験してきた鍼灸愛好家でもあります。

国家資格:はり師・きゅう師(鍼灸師)
東京医療専門学校 鍼灸専科 卒業
上海中医薬大学 短期留学 推拿コース/解剖コース 修了
公益社団法人 全日本鍼灸学会 正会員
認定NPO法人 健康医療評価研究機構(iHope International)臨床研究オンライン学習プログラム 修了

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