鍼が痛いのは下手だから?|痛いと感じる原因も解説

「鍼は痛くないって聞いていたのに、チクッと強く感じて不安になった…」

「もしかして、あの先生って下手だったのかな?」

そんな疑問や不安を感じたことはありませんか?

鍼施術が痛い=必ずしも下手というわけではありません

目次

鍼が「痛い」と感じるのはなぜ?

1. 刺激の感じ方には個人差がある

刺激の感受性には個人差があります。
同じ部位に同じように鍼を打っても、「全然平気」という人もいれば、「チクッとする」と感じる人もいます。
また、非常に敏感であったり、恐怖心がある場合には少し刺さっただけで「痛い」と感じる方もいらっしゃいます。

その日の体調によっても鍼の感じ方は変わる

実は、その日の体調によっても鍼の感じ方は変わります。当院に長く通ってくださっている方でも、日によって刺激の感じ方が違うということはよくあります。

以下のような場合には鍼の刺激を強く感じ、普段よりも痛みを感じやすい傾向があります。

  • 睡眠不足の時
  • 体調が特に悪い時

こういった場合、当院では鍼の種類や打ち方などを調整して対応しています。

2. 筋肉が硬いと反応が強く出やすい

筋肉が非常に硬くなっていたりすると、鍼に対する反応が強く出ることがあります。

ズーンとするような痛みは「響き」といい、これは鍼治療的には“効いている証拠”と言える場合もあります。

これは鍼灸の世界では「得気(とっき)」と呼ばれる現象です。

「得気」とは、ツボに適切に鍼が当たったときに感じる特有の反応で、多くの場合、治療効果が現れるサインとされています。しかし、感じ方には個人差があり、苦手な方もいらっしゃいます。

3. 鍼の太さや技法による違い

鍼の太さや長さ、刺し方などによって、感じ方は大きく変わります。また、鍼灸師によって施術スタイル(刺激を出す派・やさしい刺激派)が違います。

鍼は太くなればなるほど、刺激が強くなるので痛みとして感じやすくなります。

たとえば「響き」を重視する施術では、あえて強めの刺激を加えることもあります。

一方、ホームページで「痛くない鍼です」とうたっている鍼灸院は、比較的細い鍼を使い、刺激を抑えた技法をとっていることが多いです。

吉祥寺メックス鍼灸院での安心への取り組み

当院の場合には、初めての方には、ざっくりと事前の問診や触診などで使う針の種類を変えています。

また、実際に鍼をしてみて、「痛かったら調整します」とお声がけし、フィードバックをいただいて施術を進めています。

鍼の痛みの感じ方は刺激方法である程度はコントロールできます。


下手な鍼?それとも相性が良くなかっただけ?

実際のところ、技術が未熟な場合には刺すときの痛みが熟練者よりも出ることはあります。

特に鍼灸学生が初めて鍼を打つ段階では、まだ技術が未熟なため、刺入時に痛みを感じやすいことがあります。そのため、学生時代にはまず自分の体や練習用の物に鍼を打つことで、刺激の感覚や力加減を身につける練習を重ねていきます。

鍼灸師として臨床に出ている場合には、基礎的な技術不足というよりもその先生のやり方が合わないという要素のほうが大きいと思います。(合わせるのも技術といえば技術なのですが)

「痛い鍼」に納得感はあったか?

鍼の刺激に対して「納得感があるかどうか」がとても重要です。

たとえば、「ちょっと痛かったけど効いた」と感じるなら、それは施術がうまくいっている証拠かもしれません。

ある程度、鍼の刺激が強く、痛かったけど効いたと患者さん自身の納得感がある場合は特に問題ないと思います。

実際に、当院でも刺激の強い鍼の方法を行う際には患者さんに事前説明をして、強めの刺激の鍼を行うかを選んでもらうこともあります。

対応や説明に納得できたか

しかし、以下のような対応をされた場合は納得できないですよね。

  • 鍼を刺す前の説明が特になかった
  • 「痛い」と訴えても軽く流された
  • 「鍼は痛いのが当たり前」と頭ごなしに言われる

これは実際に、患者さんから聞いたことのある他の鍼灸院の対応です。
こういう対応をされると嫌な感じですよね。


鍼灸治療は信頼と相性が大事!無理せず選び直してOK

鍼は痛くても当たり前というスタンスで行っている鍼灸院もあるのが実際のところです。

「この先生、なんとなく合わないな…」と感じたときは、無理に通い続ける必要はありません。

鍼治療は、施術者との信頼関係や相性も結果に影響を与えます。 たとえ技術が高くても、不安を感じたままでは体も心も緊張してしまい、十分な効果が得られにくくなることもあります。

鍼灸師によって施術スタイルや考え方が違うので、あなたに合う先生を見つけるのが一番です。

まとめ|「鍼が痛かった=下手」とは限らない

鍼の痛みには、体調・体質・鍼の種類・施術スタイルなど、様々な要素が関係しています。

一概に「痛い=下手」とは言えませんが、説明不足・配慮の欠如・施術者に対する不信感などがある場合には別の鍼灸院を検討するのがオススメです。

鍼灸が「痛い、怖い」と思って遠ざけてしまうのは本当にもったいないです。

あなたが「ここなら安心」と感じられる場所で施術を受けることが、鍼灸の本来の効果を実感する近道です。

ホームページなどを吟味して、ご自身に合うと思える鍼灸院をぜひ試してみて下さい。

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この記事を書いた人

佐藤長快のアバター 佐藤長快 鍼灸師

吉祥寺メックス鍼灸院で鍼灸専門で施術を行なっています。
18歳の頃から鍼灸に定期的に通っている鍼灸愛好家。様々な鍼灸治療を受けるのも好きで、これまでに100人以上の施術者の鍼を受けてきました。

はり師+きゅう師=鍼灸師(国家資格)
東京医療専門学校鍼灸専科 卒業. せんねん灸セルフケアサポーター. 公益社団法人 全日本鍼灸学会 正会員. 上海中医薬大学 短期留学 推拿コース修了. 上海中医薬大学 短期留学 解剖コース修了. メンタルケアスペシャリスト養成講座 基礎課程修了. 認定NPO法人 健康医療評価研究機構(iHope International) e-Learning 型 Midcareer Academic learning Program 臨床研究オンライン学習プログラム修了.

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