膝痛・膝関節痛

このページの要点

症状の特徴
立ち仕事や歩きすぎ、運動のあとに膝のまわりが痛みます。膝のまわりに付着する筋肉の縮みが出どころのことが多い症状です。
当院の施術
関節の中には鍼を入れず、太ももの前側・外側と膝のまわりの筋肉に鍼と低周波の通電をします。
通い方の目安
動作の痛みが落ち着けばいったん終了します。3回続けて変化がなければ、その時点で見込みをお伝えします。
推奨コース
仰向けで太ももと膝のまわりに鍼をするため、スタンダードコースが基本です(料金は下に記載)。
研究の状況
膝の痛みへの鍼灸は、効果が確かめられた段階には至っていません。
先に受診を
ケガのあとに膝が引っかかる・力が抜ける、赤く腫れて発熱がある、ふくらはぎが腫れて痛むときは医療機関へ。
目次

立ち仕事や歩きすぎ、運動のあとに膝のまわりが痛む

立ち仕事が続いた日の夕方、旅行で一日中歩いた翌日、スポーツの練習のあと。膝のまわりが痛み、階段の上り下りや、しゃがんで立ち上がる動作がつらい。ぶつけたりひねったりした覚えはなく、少し休めば引くものの、同じことをするとまた痛む。

吉祥寺メックス鍼灸院に膝の痛みで来院される方は、たとえば、立ち仕事を続けている40代の女性、スポーツを続けている30代の男性、旅行で歩きすぎたあとに痛みだした女性などです。整形外科にかからずに来られる方がほとんどです。触診で確かめると、太ももの前側と外側、膝のまわりに、押すと痛む硬い部分が見つかります。膝の関節そのものではなく、膝のまわりに付着する筋肉が縮んで硬くなっていることが、痛みの出どころになっている状態です。

整形外科で「変形性膝関節症」と診断を受けている方については、変形性膝関節症のページで説明しています。膝のお皿のすぐ下や膝の内側の一点など、押すと痛む場所がはっきり限られている場合は、腱や、筋肉が骨に付く部分の負担が関わる別の状態が考えられます。

膝の痛みで、先に医療機関を受診していただきたいとき

整形外科にかかっていない方も、そのまま受けていただけます。触診で太ももや膝のまわりの筋肉に硬さが見つからない場合や、3回ほど施術しても変化がない場合は、関節そのものの状態を確かめるため、その時点で整形外科での画像の確認をご提案します。

次の状態がある場合は、ケガや別の病気の可能性があるため、鍼灸より先に整形外科などでの評価をお願いしています。

  • ケガやひねったあとから、膝が引っかかって伸びない、急に力が抜ける、急に大きく腫れた(靭帯や半月板の損傷の可能性)
  • 膝のまわりが赤く腫れて熱をもち、発熱を伴う(関節の感染や炎症の可能性)
  • ふくらはぎが腫れて熱をもち、痛む(脚の静脈に血のかたまりができている可能性)

膝の裏からふくらはぎにかけてしびれる、両脚に症状が出る、という場合は、膝より腰の神経が関わっていることがあり、腰の評価が先になります。

施術を受けている間でも、痛みの性質が急に変わった、明らかに強くなった、膝を曲げ伸ばしできなくなった場合は、受診をお願いしています。

膝痛で鍼灸に通う頻度と期間の目安

膝痛は、動作の痛みが落ち着けば、いったん終了とする方針です。区切りにしているのは、日常の動作で膝の痛みを思い出す場面が減り、施術のときに膝の痛みの話が出なくなったときです。痛みがゼロになることを条件にはしていません。

間隔は、初回の施術でどの程度変化があり、良い状態がどのくらい続いたかを見て決めます。動作のたびに痛む状態が続いている間は週1回を目安にし、痛む場面が減ってきたら2〜3週に1回へ間隔を空けていきます。

施術は毎回同じではありません。その日の膝の動きと触診で鍼をする部位を決め、刺激の強さも調整します。初回から3回ほど続けてもまったく変化が出ない場合は、その先も長い期間変化が出にくい可能性があることを、その時点でお伝えします。続けるか、いったん様子を見るかは、そのうえでご相談して決めます。変化はあっても乏しい場合は、5回を目安に同じ相談をします。変化があるかどうかは、ご本人の感覚を基準に、施術の前に伺います。施術のあとだけ楽になって数日で戻る、という場合は、変化がある側に数えます。

当院で、膝の痛みを理由に通い続けている方はほとんどいません。

膝痛に対する当院の鍼灸治療

最初に確認するのは、どの動きで痛むかです。膝の曲げ伸ばし、しゃがむ動作、片脚で立って膝を曲げる動作などを実際にしていただき、痛みが出る場面と場所を確かめます。そのうえで、太ももの前側と外側、膝のまわりを触診し、押すと痛む硬い部分の位置と深さから、鍼をする部位を絞り込みます。この部位は人によって違うため、あらかじめ決められるものではありません。

鍼をするのは、膝のまわりに付着する筋肉のうち、縮んで硬くなり、力を抜けなくなっているものです。太ももの前側の筋肉は、膝のお皿を越えてすねの骨に付着しています。太ももの外側を通る筋肉や筋膜の帯は、膝の外側に付着しています。これらが縮んだまま硬くなると、膝を曲げ伸ばしするたびに付着部のまわりが引っぱられます。その縮みをゆるめ、膝のまわりにかかる引っぱりを減らす、という考え方です。

関節の中や、関節のすきまには鍼を入れません。

施術は仰向けを基本にします。太ももの前側と外側、膝のまわりまで、仰向けのまま届きます。膝の裏や太ももの裏、ふくらはぎの硬さが強い方、腰の痛みもあわせて診る方は、うつ伏せでの施術を加えます。

刺す深さは部位ごとに決めていて、深く刺すほど効くというものではありません。こりの中心と判断した層に届く深さで止めます。

刺した鍼に低周波の電気を流す方法(鍼通電)を基本的に併用します。手では届かない深さの筋肉を直接動かせるためです。刺激に過敏な方には使いません。刺激の強さは、施術中に確認しながら調整します。

ほかに持病がある方、常用しているお薬がある方も受けていただけます。多くの場合はそのままで問題ありませんが、刺激量の調整に関わることがあるため、問診でお知らせください。

膝痛の鍼灸治療のコースと料金

膝痛の施術は、仰向けの姿勢で、太ももの前側と外側、膝のまわりに鍼をします。体の向きを変えずに1つの姿勢で完結することが多いため、スタンダードコースが基本になります。

スタンダード片面施術・40分ほど

8,800円リピート割 7,700円

  • 初回は 9,900円(施術料 8,800円+初見料 1,100円)初見料は初めてのご来院時のみ
  • リピート割は前回の施術日から1か月以内(翌月の同じ日まで)のご来院に適用されます

初回は問診と動きの確認がありますが、所要時間は同じく40分ほどです。

膝の裏や太ももの裏、ふくらはぎの張りが強い方、腰や首肩のこりもあわせて診る方は、うつ伏せの施術を加えるため、ダブルコースをご提案することがあります。すでにダブルコースで通われている方は、膝をあわせて診ても料金は変わりません。コースの目安は、いくつかの質問に答えるコース診断ツールでも確かめられます。

使用する鍼・手技・鍼に電気を流す方法については、コース詳細ページで写真つきでご覧いただけます。

当院は保険取扱いのない、自費の鍼灸院です。

膝の関節に異常がなくても、膝のまわりが痛む理由

膝は、太ももの骨とすねの骨をつなぐ関節で、そのまわりを、太ももから来る筋肉や腱が囲んでいます。太ももの前側の筋肉は、膝のお皿を包むようにしてすねの骨に付着し、膝を伸ばしながら体重を支えます。太ももの外側を通る筋肉や筋膜の帯は、膝の外側に付着しています。

長く立って体重を支える、一日中歩く、走ったり跳んだりを繰り返す。こうした負荷が続くと、これらの筋肉は力を抜けなくなり、縮んだまま硬くなります。縮んだ筋肉は、膝を曲げるたびに付着部のまわりを引っぱります。当院では、膝のまわりの押すと痛む点や、階段の上り下りやしゃがむ動作での痛みの多くは、この引っぱりから来ていると考えて施術をしています。ぶつけた・ひねったという覚えがないのに痛むのは、このためです。少し休むと痛みが引いても、同じ動作を繰り返せば同じ筋肉が同じように引っぱるため、歩きすぎたあとや練習のあとに、また痛みが出ます。

膝の痛みと、画像に写る関節の状態は、必ずしも一致しないことが知られています。膝が痛くても画像で大きな変化が見られない方もいれば、その逆の方もいます。

一方で、中高年の方の長く続く膝の痛みでは、関節の軟骨がすり減っていく変形性膝関節症が原因として最も多いとされています。その場合は施術の目的と通い方が変わるため、変形性膝関節症のページで説明しています。

膝痛の鍼灸治療に期待できること

改善が期待できる症状

当院が対象にしている中心は、膝のまわりに付着する筋肉の緊張から来ている、動作のときの痛みの軽減と、動かしやすさの改善です。階段の上り下りやしゃがむ動作での痛み、長く立ったり歩いたりしたあとの膝のまわりの重だるさ、膝のまわりの押すと痛む点がここに含まれます。

鍼をするのは、関節を動かしている筋肉です。すり減った軟骨や骨の形を戻す施術ではありません。ケガで傷ついた靭帯や半月板そのものを修復する施術でもありません。

整形外科で治療や運動の指導を受けている方は、それを続けながら受けていただけます。鍼灸の対象は筋肉由来の痛みの軽減で、関節そのものの評価と治療は整形外科が担います。

効果の出方には個人差があります。施術後は一時的にだるさが出ることがあり、通常は数時間から1日ほどでおさまります。

研究で報告されていること

膝の痛みに対する鍼灸の研究は、中高年の方の長く続く膝の痛みを対象にしたものが中心で、その多くは変形性膝関節症の方と重なります。画像の検査を条件にせず、50歳以上で長く続く膝の痛みのある方を対象にした試験では、何も受けなかった方と比べて12週の時点で痛みがやや軽くなりましたが、1年後には差がなくなりました。偽の施術と比べた差は示されませんでした。複数の試験をまとめた解析では痛みの軽減が報告されていますが、その著者自身が、試験ごとのばらつきが大きく強い結論は出せないとしています。研究の上では、鍼灸そのものの効果として確かめられた段階に至っていません。

ケガのあとの膝の痛みや、若い方の使いすぎによる膝の痛みについては、鍼灸の研究そのものがほとんどありません。当院はこの状況をふまえたうえで、膝のまわりの筋肉の緊張をゆるめることを目的に施術をしています。

ご予約

ご来院当日の流れ、お着替え、お支払い方法については、「初めての方へ」のページで説明しています。

予約状況の確認とご予約は、予約ページから直接お取りいただけます。

このページは、膝痛に対する鍼灸について、当院の考え方をまとめたものです。個別の診断や治療方針の判断に代わるものではありません。検査や治療については、かかりつけの医師にご確認ください。

参考文献
  • Hinman RS, McCrory P, Pirotta M, et al. Acupuncture for chronic knee pain: a randomized clinical trial. JAMA. 2014;312(13):1313-1322. DOI
  • Zhang Q, Yue J, Golianu B, Sun Z, Lu Y. Updated systematic review and meta-analysis of acupuncture for chronic knee pain. Acupuncture in Medicine. 2017;35(6):392-403. DOI
  • Bedson J, Croft PR. The discordance between clinical and radiographic knee osteoarthritis: a systematic search and summary of the literature. BMC Musculoskeletal Disorders. 2008;9:116. DOI

この記事を書いた人

佐藤長快

佐藤長快

鍼灸師

吉祥寺メックス鍼灸院で鍼灸専門の施術を行っています。

18歳の頃に鍼灸を初めて受け、その効果を実感し、その後鍼灸の道へ。以来さまざまな流派・技法の施術を受け続け、これまでに100名以上の施術者の鍼を経験してきた鍼灸愛好家でもあります。

  • 国家資格:はり師・きゅう師(鍼灸師)
  • 東京医療専門学校 鍼灸専科 卒業
  • 上海中医薬大学 短期留学 推拿コース/解剖コース 修了
  • 公益社団法人 全日本鍼灸学会 正会員
  • 認定NPO法人 健康医療評価研究機構(iHope International)臨床研究オンライン学習プログラム 修了
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