首こり

このページの要点

症状の特徴
検査で異常が見つからなくても続きます。頭を支え続けている首の筋肉の緊張が関わっています。
当院の施術
触診でこりの位置を確かめ、首の後ろ・肩・肩甲骨まわり・背中側の筋肉に鍼をします。うつ伏せが基本です。
通い方の目安
週1回から始める方も、2〜3週に1回の方もいます。落ち着けば1〜2か月に1回の維持が中心です。3〜5回続けても変化が乏しければ、鍼をする部位や電気の使い方を変えます。
推奨コース
うつ伏せでの施術が基本のため、スタンダードコースです(料金は下に記載)。
研究の状況
首の慢性的な痛みへの鍼は研究が多く、痛みの改善が一貫して報告されています。結論の確実性は高くありません。
先に受診を
腕や手のしびれ・力の入りにくさ、手先の細かい動作のしにくさ、急なめまいをともなう場合は医療機関へ。
当院の症例
3人の経過を掲載しています。1〜2か月間隔での継続、気になったときの来院、6回で終了の3通りです。
目次

後ろを向きにくい、首のつけ根が重い

後ろを振り向くとき、首のつけ根が引っかかる。夕方になるほど頭が重くなる。マッサージに行くと一時的にはゆるむけれど、また同じところが硬くなる——吉祥寺メックス鍼灸院には、こうした首こりの方が来院されています。パソコンとスマートフォンで一日の大半を過ごす方が中心です。

朝起きて急に首が動かせなくなった場合(寝違え)や、首よりも肩の上の張りが主な場合は、施術の組み立てが変わります。どちらも対応していますので、予約時か問診でお伝えください。

首こりで来院された方の経過

30代・女性・画面に向かう時間の長い会社員/他院で鍼灸を続けたのち来院された方

来院時
数年来の首肩のこりと後頭部の痛み。ストレートネックの指摘があり、他院で鍼灸を続けていましたが、施術内容に納得できず来院されました。
経過
首の後ろだけでなく、鎖骨の下から胸の前側、のちに首の前側へ施術の中心が移りました。4回目には「胸の筋肉をしっかり施術してもらえるようになって楽になった」と話されています。
現在
通院のペースはご本人のなかで定まり、1〜2か月間隔で継続されています。

60代・女性・静かな環境での座り仕事/頸椎症の指摘あり・首への鍼を希望されない状態から開始

来院時
首・肩・背中の鈍痛。過去に鍼で体調を崩した経験があり、初回は細い鍼と灸のみから始めています。
経過
回を重ねて受けられる刺激の幅が広がり、8か月ほどで首に鍼を刺したまま置けるようになりました。2年目には仕事の量が減った時期を境に、首肩の訴えそのものが軽くなっています。
現在
首肩の訴えが軽くなってからは、気になる症状が出たときの来院になっています。

50代・女性・在宅でのパソコン作業が中心/1年ほど前からの右側の首こりと食いしばり

来院時
左を向くと右の首に痛みが出る状態。鍼の刺激に過敏で、初回は本数を絞り浅く刺すところから始めています。
経過
5回目で何もしていないときの痛みはなくなり、振り向いたときの痛みが残る段階まで変わりました。そこから先が進まなかったため、整形外科での評価をご提案しています。
現在
約7週間・6回の通院で、以後この症状での来院はありません。

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首のこりで、先に医療機関を受診していただきたいとき

首こりで来院される方のうち、次に挙げる症状をともなう方はほとんどいません。ただし、当てはまる場合は首の筋肉以外に原因がある可能性があるため、鍼灸より先に整形外科などの受診をお願いしています。

  • 腕や手にしびれが広がる、力が入りにくい
  • 手先の細かい動作がしにくくなった、歩きにくさが出てきた(神経の圧迫が進んでいる可能性)
  • 急に強いめまいが出た、ものが二重に見える、言葉が出にくい(首の血管に関わる状態の可能性・当日中の受診を)

すでに医療機関で診断を受けている方でも、これらの症状が新しく出てきた場合や、痛みの性質が急に変わった・明らかに強くなった場合は、再受診をお願いしています。

首こりで鍼灸に通う頻度と期間の目安

通院の間隔は、初回の施術でどの程度変化があり、良い状態がどのくらい続いたかを見て決めます。こってくるまでの時間は人によって違うため、一律の頻度は設けていません。

長く続いていて変化が出にくい方は、週1回から始めます。一方で、はじめから2〜3週に1回や月1回の間隔で通われる方もいて、この場合は最初からその間隔で組み立てます。落ち着いたあとの維持は1〜2か月に1回が中心ですが、この幅は人によってかなり違い、年に1回の方から週1回の方までいます。仕事の状況や作業環境で変わる部分です。

3〜5回続けても変化が乏しい場合は、施術の組み立てを見直します。鍼をする部位を変える、電気の使い方を変える、といった対応です。見直しても変化が見えてこない場合は、その先も変化が出にくい可能性があることをお伝えし、整形外科での評価をご提案します。続けるか、いったん様子を見るかは、そのうえでご相談して決めます。

首こりに対する当院の鍼灸治療

最初に確認するのは、どこがこりの中心になっているかです。首を動かして引っかかる方向を確かめ、触診で硬さの位置と深さを確かめて、鍼をする部位を絞り込みます。この部位は人によって違うため、あらかじめ決められるものではありません。

多いのは首の後ろですが、肩の上の筋肉が中心の方、肩甲骨のまわりが主体の方、背中側から来ている方もいます。首の前側や鎖骨の上の緊張が関わる方もいます。硬いところ全部に鍼をするわけではなく、こりの中心と判断した場所に絞ります。

首に鍼をすること自体をためらう方は少なくありません。刺す深さは部位ごとに決めていて、深く刺すほど効くというものではありません。こりの中心と判断した層に届く深さで止めます。

施術は、自律神経を整える基本調整を行ったうえで、こりの中心と判断した筋肉への局所施術を行います。基本調整は来院された方に共通して行っている土台の部分で、首のこりそのものに働きかけるのは局所の施術です。うつ伏せで、首の後ろから背中側が中心です。あわせて、刺した鍼に低周波の電気を流す方法(鍼通電)を基本的に併用します。筋肉のこりに対しては、手では届かない深さの筋肉を直接動かせるためです。刺激に過敏な方には使いません。刺激の強さは、施術中に確認しながら調整します。

ほかに持病がある方、常用しているお薬がある方も来院されています。ほとんどの場合はそのまま受けていただけますが、刺激量の調整に関わることがあるため、問診でお知らせください。

首こりの鍼灸治療のコースと料金

首こりの施術は、首の後ろから背中側が中心になるため、うつ伏せでの施術で完結する場合はスタンダードコースが対象になります。

スタンダード片面施術・40分ほど

8,800円リピート割 7,700円

  • 初回は 9,900円(施術料 8,800円+初見料 1,100円)初見料は初めてのご来院時のみ
  • リピート割は前回の施術日から1か月以内(翌月の同じ日まで)のご来院に適用されます

首の前側や鎖骨の上の緊張が関わる場合、あごの食いしばりが強い場合、胸の前側の張りや巻き肩をともなう場合は、おなか側と背中側の両方に施術するため、ダブルコースをご提案することがあります。ダブルコースの料金と所要時間は、コース詳細ページに掲載しています。どちらが合うか迷う場合は、いくつかの質問に答えるとコースの目安が出るコース診断ツールをご利用ください。

使用する鍼・手技・鍼に電気を流す方法についても、同じページで写真つきでご覧いただけます。

当院は保険取扱いのない、自費の鍼灸院です。

なぜ首のつけ根のこりは戻りやすいのか

首のこりが戻りやすいのは、首が、眠っている時間以外は負荷がゼロにならない場所だからです。頭の重さはおよそ5〜6キロあり、それを支えているのが首の後ろの筋肉です。画面を見る姿勢が続くと頭は前に出た位置で固定され、首の筋肉は姿勢を保つために縮み続けます。

筋肉は表面から深部まで何層にも重なっていて、深い場所にある筋肉ほど、手で揉んでも押しても刺激が届きません。表面がゆるんでその場は軽くなっても、こりの中心には刺激そのものが入っていない。揉んだ直後は楽になるのに数日で元に戻る、という経過は、これで説明がつきます。

ただし、こっている場所は人によって違います。首の後ろが中心の方、肩の上の筋肉(僧帽筋)が主体の方、肩甲骨のまわりや背中側から来ている方もいます。首の前側(のどの横から鎖骨の上にかけて)の緊張が関わっている方もいます。触ってみないと決まらないため、当院では毎回、触診でこりの位置と深さを確かめてから鍼をする部位を決めています。

首のこりは、仕事や生活の姿勢が変わらない限り、完全になくなることはありません。当院が目安にしているのは、こりをゼロにすることではなく、施術のあと、良い状態がどのくらい長く続くかです。同じように軽くなっても、数日で戻るのか、数週間もつのかで、通う間隔は変わります。毎回こりの中心を触診で確かめてから鍼をしているのは、この持続する長さを延ばすためです。

首こりの鍼灸治療に期待できること

改善が期待できる症状

当院が対象にしている中心は、筋肉の緊張が関わっている首のこりです。首のつけ根の重さや張り、後ろや上を向いたときの引っかかり、夕方に強くなる重だるさ。検査で大きな異常が見つからず、姿勢や作業時間で症状が変わる首こりの多くが、ここに含まれます。首の緊張が関わっている頭痛や、目の奥の重さが一緒に軽くなる方もいます。

変化の目安にしているのは、こりと痛みの軽減、首を動かせる範囲、そしてこってくるまでの間隔が延びていくことです。

頸椎症や頸椎椎間板ヘルニアと診断されている方も来院されています。この場合、鍼灸の対象になるのは首や肩のこり・痛みの軽減で、頸椎の変形や椎間板の状態そのものを鍼で戻すことはできません。整形外科での治療と並行して受けていただく形になります。まだ受診していない場合や、腕のしびれ・力の入りにくさが新しく出てきた場合は、先に受診をお願いすることがあります。

「ストレートネックと言われた」という方も多く来院されます。この場合、鍼で働きかけられるのは筋肉の緊張の側で、頸椎の並びそのものを鍼で戻すことはできません。ただし、筋肉の緊張がゆるむことで姿勢が変わってくる方はいます。

効果の出方には個人差があります。1回の施術でかなり軽くなる方もいますが、慢性の首こりは複数回の通院を前提に組み立てています。施術後は一時的にだるさが出ることがあり、通常は数時間から1日ほどでおさまります。

研究で報告されていること

首の慢性的な痛みに対する鍼は、比較的研究の多い分野です。中国の4施設で716人を対象に行われた試験では、比較のために使う見せかけの鍼(効果が出ないよう刺す場所を変えたもの)と比べても痛みの改善に差があり、その差は24週後まで続いていました。ただし研究チームは、その差は患者本人が変化として実感できる大きさには届いていない、と評価しています。26件の試験をまとめた2025年の分析でも、痛みと動かしにくさの改善は一貫して報告されている一方、研究の質のばらつきが大きく、結論の確実性は高くないとされています。

716人の試験で本物の鍼として比べられたのは、刺激に敏感なツボを一人ずつ選んで鍼をする方法でした。実際の首こりも、こっている場所が人によって違います。当院が毎回こりの位置を確かめてから鍼をする部位を決めているのも、この違いが施術の結果に関わると考えているからです。

もうひとつ、研究が見ている物差しと、通っている方が実感する物差しは同じではありません。研究の多くは、ある時点の痛みの点数がどれだけ下がったかを比べています。当院が目安にしているのは、施術のあと良い状態がどのくらい長く続くか、こってくるまでの間隔が延びていくかです。

鍼が首の筋肉と痛みの感じ方に影響する仕組み

測定によって確かめられているのは、主に刺した場所の周辺で起きる変化です。緊張した筋肉に鍼が届くと、局所の血流が変わり、痛みを引き起こす物質が流れやすくなること、筋肉の張力が下がることが報告されています。硬く縮んだ部分に鍼が当たった瞬間に筋肉が一度ピクッと動く反応が出ることがあり、これは施術中に確認できる変化のひとつです。

一方で、刺した場所から離れたところで起きる変化——脊髄や脳のレベルで痛みの伝わり方が調整される仕組みについては、動物実験や画像を使った研究からの推察の部分が多く残っています。痛みを抑える神経のはたらきが強まる、体内で作られる鎮痛物質が関わる、といった説明がされていますが、人の首こりでどこまで起きているかを直接測ることは難しいのが現状です。

首こりの鍼灸についてよくある質問

ストレートネックと言われましたが、鍼で意味がありますか?

鍼で働きかけられるのは筋肉の緊張の側で、頸椎の並びそのものを鍼で戻すことはできません。ただ、当院に来られる方の首こりは、並びそのものよりも、頭を支え続けている筋肉の緊張が症状に関わっている場合が多く、そこは施術の対象になります。筋肉の緊張がゆるむことで、姿勢が変わってくる方もいます。

首に鍼を刺すのが少し怖いのですが、大丈夫でしょうか?

刺す深さは部位ごとに決めていて、深く刺すほど効くというものではありません。こりの中心と判断した層に届く深さで止めます。刺激に過敏な方には、電気を流す方法は使いません。不安がある場合は、問診の際にお伝えください。刺激の強さは施術中にも確認しながら調整しています。

首こりからくる頭痛や、目の奥の重さも変わりますか?

首の緊張が関わっている頭痛や目の奥の重さでは、こりの軽減とあわせて変化する方がいます。ただし、頭痛には首の緊張以外が関わるものもあり、すべてが対象になるわけではありません。頭痛の起こり方や頻度を問診でうかがったうえで判断しています。

ご予約

ご来院当日の流れ、お着替え、お支払い方法については、「初めての方へ」のページで説明しています。

予約状況の確認とご予約は、予約ページから直接お取りいただけます。

このページは、首こりに対する鍼灸について、当院の考え方と実際の経過をまとめたものです。個別の診断や治療方針の判断に代わるものではありません。検査や治療については、かかりつけの医師にご確認ください。

参考文献
  • Zhao L, Sun M, Yin Z, et al. Long-Term Effects of Individualized Acupuncture for Chronic Neck Pain: A Randomized Controlled Trial. Annals of Internal Medicine. 2024;177(10):1330-1338. PubMed
  • Xie CR, Zhang ZY, Tao QF, et al. Effectiveness of Acupuncture for Neck Pain: Systematic Review and Meta-analysis with Trial Sequential Analysis. Journal of Pain Research. 2025;18:6297-6316. PubMed

この記事を書いた人

佐藤長快

佐藤長快

鍼灸師

吉祥寺メックス鍼灸院で鍼灸専門の施術を行っています。

18歳の頃に鍼灸を初めて受け、その効果を実感し、その後鍼灸の道へ。以来さまざまな流派・技法の施術を受け続け、これまでに100名以上の施術者の鍼を経験してきた鍼灸愛好家でもあります。

  • 国家資格:はり師・きゅう師(鍼灸師)
  • 東京医療専門学校 鍼灸専科 卒業
  • 上海中医薬大学 短期留学 推拿コース/解剖コース 修了
  • 公益社団法人 全日本鍼灸学会 正会員
  • 認定NPO法人 健康医療評価研究機構(iHope International)臨床研究オンライン学習プログラム 修了
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