腰痛

このページの要点

症状の特徴
検査で異常が見つからなくても、腰からお尻にかけての筋肉のこりが関わって痛みが続きます。
当院の施術
触診で痛みの原因になっているこりを確かめ、腰からお尻の筋肉に鍼をします。背中側が基本です。
通い方の目安
気になるうちは週1〜2回、落ち着けば月1〜2回が中心です。3〜5回で変化がなければ鍼の場所や設定を変えます。
推奨コース
背中側の施術が基本のため、スタンダードコースです(料金は下に記載)。
研究の状況
慢性腰痛は鍼の研究が最も多い症状のひとつで、痛みと動きにくさの改善が繰り返し報告されています。
先に受診を
発熱をともなう、夜間や安静時にも痛む、脚の脱力が進む、排尿や排便の異常がある場合は医療機関へ。
当院の症例
3人の経過を掲載しています。落ち着いたあとは月1〜2回の維持や、痛みが出たときの来院に移っています。
目次

揉んでも押しても、数日で戻る腰の重さ

マッサージや整体に行くと、その場は楽になる。でも数日で戻る。それを数年単位で繰り返している——当院に腰痛で来られる方に、最も多いパターンです。座りっぱなしのデスクワークの方が中心で、長時間の移動が続く方、立ち仕事の方も来院されています。

当院に来院されるのは、3か月以上続いている、または繰り返している腰痛の方が中心です。急に動けなくなった直後の強い痛み(ぎっくり腰)は施術の組み立てが異なります。お尻から脚にかけての痛みやしびれが中心の場合も同様です。どちらも対応していますので、予約時か問診でお伝えください。

腰痛で来院された方の経過

40〜50代・長時間の移動と拘束が続く仕事/長年の腰痛にお尻の痛みが加わった方

来院時
腰痛に首肩のこり・頭痛をともなう状態。マッサージや複数の鍼灸院を利用したのちの来院でした。
経過
痛みが強まった時期に集中して通い、落ち着けば間隔があく型です。お尻の痛みが強まった時期には長い鍼で、お尻の奥の筋肉まで届かせる施術に切り替え、その後の来院で落ち着いています。同時期にL4/5椎間板ヘルニアと診断され、医科と並行しています。
現在
数か月落ち着いたのち再び痛みが出て、通院を再開されています。

70代・専門職/体操中に痛めた腰で来院された方

来院時
変形性腰椎症の診断あり。ゴルフを続けたいというご希望での来院でした。
経過
旅行先のゴルフ後や寝起きに痛みが戻った時期を含めて3回施術したのち、8か月にわたって腰の痛みでの来院はありませんでした。
現在
腰は落ち着いた状態で、次の来院は肩の痛みでした。

60代・会社員/デスクワークと出張で腰が辛くなる方

来院時
長年の腰痛と首肩のこり。会議や長時間の移動が続くと後から腰が辛くなる型で、他院の鍼灸を月1回続けながらの来院でした。
経過
股関節の前側の筋肉の関与を確認しながら、腰・お尻を中心に施術。海外出張の直後など、負荷がかかった時期に合わせて通われています。
現在
2年目からは月1〜2回のペースに定着。痛みが出る前に間隔を空けすぎない通い方で維持されています。

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腰の痛みで、先に医療機関を受診していただきたいとき

腰痛の大半は命に関わるものではありませんが、なかには医療機関での検査を優先すべきものがあります。次のような症状をともなう場合は、鍼灸より先に整形外科などの受診をお願いしています。

  • 発熱をともなう腰痛
  • 夜間や、安静にしていても痛みが続く
  • 脚の脱力が進んでいる(力が入りにくくなってきている)
  • 排尿・排便の異常や、股の間の感覚の異常がある

最後の項目は緊急性が高い状態の可能性があるため、当日中の受診をお願いします。すでに診断がついている方でも、これらの症状が新しく出てきた場合や、痛みの性質が急に変わった・明らかに強くなった場合は、再受診をお願いしています。

腰痛で鍼灸に通う頻度と期間の目安

通院の間隔は、初回の施術でどの程度変化があり、良い状態がどのくらい続いたかを見て決めます。こってくるまでの時間、つらくなるまでの時間は人によって違うため、一律の頻度は設けていません。

当院の腰痛の方で最も多いのは、月1〜2回の間隔での維持です。2か月に1回の方、「こってきたと感じたら」の来院の方もいます。施術後もまだ症状が気になるうちは、週1〜2回に間隔を詰めます。

3〜5回続けても変化が乏しい場合は、施術の組み立てを見直します。鍼をする部位を変える、電気刺激の設定を変える、といった対応です。見直しても変化が見えてこない場合は、その先も変化が出にくい可能性があることをお伝えし、整形外科での評価をご提案します。続けるか、いったん様子を見るかは、そのうえでご相談して決めます。

腰痛に対する当院の鍼灸治療

最初に確認するのは、どの筋肉が痛みの原因になっているかです。動作の確認で痛む部位と動きを特定し、触診でこりの位置と深さを確かめ、必要に応じて動きや姿勢の検査を加えて、対象になる筋肉を絞り込みます。

最も多いのは脊柱起立筋群(背骨の両脇を縦に走る筋肉)の深い部分ですが、腰方形筋(わき腹の奥にある筋肉)が中心の方、お尻の筋肉のこりが主体の方、背骨の関節まわりに由来する方もいます。痛む場所のすべてに鍼をするわけではありません。特定した筋肉に絞って、その深さまで届く鍼をします。

施術は、自律神経を整える基本調整を行ったうえで、特定した筋肉への局所施術を行います。うつ伏せで、腰からお尻にかけての背中側が中心です。おなかまわりの硬さや、股関節・脚のつけ根の痛みをともなう場合は、股関節の前側につながる筋肉(腸腰筋)が関わっていることがあり、仰向けでおなか側から鍼をすることもあります。

刺した鍼は、そのまま15〜20分置きます(スタンダードコースの場合)。鍼の刺激に慣れていない初回の方や、反応が早い方は10分程度に調整します。あわせて、刺した鍼に低周波の電気を流す方法(鍼通電)を基本的に併用し、手では届かない深さの筋肉を直接動かします。刺激の強さは、施術中に確認しながら調整します。

ほかに持病がある方、常用しているお薬がある方も来院されています。ほとんどの場合はそのまま受けていただけますが、刺激量の調整に関わることがあるため、問診でお知らせください。

腰痛の鍼灸治療のコースと料金

腰痛の施術は、腰からお尻にかけての背中側が中心になるため、うつ伏せでの施術で完結する場合はスタンダードコースが対象になります。

スタンダード片面施術・40分ほど

8,800円リピート割 7,700円

  • 初回は 9,900円(施術料 8,800円+初見料 1,100円)初見料は初めてのご来院時のみ
  • リピート割は前回の施術日から1か月以内(翌月の同じ日まで)のご来院に適用されます

おなか側からの施術が必要な場合(股関節や脚のつけ根の症状をともなうなど)や、自律神経の不調・複数部位の症状を併せて調整する場合は、おなか側と背中側の両面にまたがるため、ダブルコースをご提案することがあります。どちらが合うか迷う場合は、コース診断ツールで確認できます。

使用する鍼・手技・鍼に電気を流す方法については、コース詳細ページで写真つきでご覧いただけます。

当院は保険取扱いのない、自費の鍼灸院です。

なぜ揉んでも押しても戻るのか

腰を支える筋肉は、表面から深部まで何層にも重なっています。当院で腰痛の方を触診して最も多いのは、脊柱起立筋群——背骨の両脇を縦に走る筋肉の、深い部分のこりです。ほかに、わき腹の奥にある腰方形筋、お尻の筋肉、股関節の前側につながる筋肉(腸腰筋)、背骨の関節まわりなど、痛みを引き起こしている筋肉は、人によって違います。

長時間同じ姿勢が続くと、これらの筋肉は姿勢を支えるために縮み続けます。深い場所にある筋肉ほど、手で揉んでも押しても刺激が届きません。表面の筋肉がほぐれたり伸びたりしてその場は楽になっても、痛みの原因になっている深部のこりには刺激そのものが入っていない——これが「揉んでも押しても数日で戻る」ことの、当院の説明です。湿布についても、痛みを一時的に抑えるものであって、深部の血流や筋肉のこりまでは変えられない、と当院では考えています。

なお、当院では「戻ること」自体を異常とは考えていません。デスクワークや立ち仕事を続ける限り、筋肉には毎日負荷がかかります。目安にしているのは、施術のあと、良い状態がどのくらい続くかです。この間隔を延ばしていくことを、施術の目標にしています。

腰痛の鍼灸治療に期待できること

改善が期待できる症状

当院が対象にしている中心は、筋肉のこりが関わっている腰痛です。腰の重さや張り、朝や動き始めの痛み、座り続けたあとに立ち上がるときの痛み、お尻のこりをともなう腰痛。レントゲンやMRIで大きな異常が見つからず、姿勢や動作で症状が変わる腰痛の多くが、ここに含まれます。

変化の目安にしているのは、痛みの軽減、動きやすさの改善、そして施術後に良い状態が続く期間が延びていくことです。

腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症と診断されている方、坐骨神経痛をともなう方も来院されています。この場合、鍼灸の対象になるのは痛みやしびれの軽減で、ヘルニアの突出や狭窄そのものを鍼で戻すことはできません。整形外科での治療やリハビリと並行して受けていただく形になり、まだ受診していない場合は、先に受診をお願いすることがあります。

効果の出方には個人差があります。初回の変化の程度と持続を見て、通院の間隔を調整しています。施術後は一時的にだるさが出ることがあります。当院で最も多い反応で、通常は数時間から1日ほどでおさまります。

研究で報告されていること

慢性腰痛は、鍼の研究が最も多く行われてきた症状のひとつです。無治療や通常の治療(薬・運動療法など)と比較した研究では、痛みと動きにくさの改善が繰り返し報告されています。ドイツで1,100人以上を対象に行われた大規模試験では、反応率は鍼治療を受けたグループで約48%、通常治療のグループで約27%で、効果は6か月後も持続していました。米国内科学会の診療ガイドライン(2017年)は、慢性腰痛にはまず薬以外の方法を試すよう強く勧めており、その選択肢のひとつに鍼を挙げています。

一方で、どの位置に鍼を刺すのが最も効果的かは、研究上はっきりしていません。研究は、参加者全員に同じ部位・同じ刺激量で鍼をする設計で行われるためです。実際の腰痛では、痛みの原因になっている筋肉が人によって違います。当院は、ここが施術者の評価の技術が問われるところだと考えており、部位を決めてから施術するのではなく、触診で痛みの原因になっているこりを特定してから鍼をしています。

腰痛の鍼灸についてよくある質問

ヘルニアや脊柱管狭窄症と言われていますが、受けられますか?

受けられます。対象になるのは痛みやしびれの軽減で、ヘルニアの突出や狭窄そのものを鍼で戻すことはできません。整形外科での診断・治療と並行して受けていただけます。リハビリと並行して通われている方もいて、鍼で筋肉がゆるんで動かしやすい状態のほうがリハビリを進めやすい、という声をいただくことがあります。まだ受診していない場合は、先に受診をお願いすることがあります。

脚にしびれがあっても受けられますか?

多くの場合は受けられます。椎間板ヘルニアによる脚のしびれや、坐骨神経痛をともなう方も来院されており、しびれの軽減も施術の対象です。ただし、脚の力が入りにくくなってきている・排尿や排便の異常があるといった場合は、施術より先に医療機関の受診をお願いしています。

ぎっくり腰も対応していますか?

対応しています。ただし、急に痛めた直後は施術の組み立てが慢性の腰痛とは異なり、炎症が強い部位への刺激は控えめにします。予約時か問診で、痛めた直後であることをお伝えください。

ご予約

ご来院当日の流れ、お着替え、お支払い方法については、「初めての方へ」のページで説明しています。

予約状況の確認とご予約は、予約ページから直接お取りいただけます。

このページは、腰痛に対する鍼灸について、当院の考え方と実際の経過をまとめたものです。個別の診断や治療方針の判断に代わるものではありません。検査や治療については、かかりつけの医師にご確認ください。

参考文献
  • Haake M, Müller HH, Schade-Brittinger C, et al. German Acupuncture Trials (GERAC) for Chronic Low Back Pain: Randomized, Multicenter, Blinded, Parallel-Group Trial With 3 Groups. Archives of Internal Medicine. 2007;167(17):1892-1898. PubMed
  • Mu J, Furlan AD, Lam WY, et al. Acupuncture for chronic nonspecific low back pain. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2020;12(12):CD013814. PubMed
  • Qaseem A, Wilt TJ, McLean RM, Forciea MA. Noninvasive Treatments for Acute, Subacute, and Chronic Low Back Pain: A Clinical Practice Guideline From the American College of Physicians. Annals of Internal Medicine. 2017;166(7):514-530. PubMed

この記事を書いた人

佐藤長快

佐藤長快

鍼灸師

吉祥寺メックス鍼灸院で鍼灸専門の施術を行っています。

18歳の頃に鍼灸を初めて受け、その効果を実感し、その後鍼灸の道へ。以来さまざまな流派・技法の施術を受け続け、これまでに100名以上の施術者の鍼を経験してきた鍼灸愛好家でもあります。

  • 国家資格:はり師・きゅう師(鍼灸師)
  • 東京医療専門学校 鍼灸専科 卒業
  • 上海中医薬大学 短期留学 推拿コース/解剖コース 修了
  • 公益社団法人 全日本鍼灸学会 正会員
  • 認定NPO法人 健康医療評価研究機構(iHope International)臨床研究オンライン学習プログラム 修了
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